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頑張らなくてもOK!環境づくりで本好きな子を育てた話

 「本好きな子を育てる」と聞くと、読み聞かせを頑張らなきゃいけない?!と構えてしまう方も多いはず。でも、そんなに頑張らなくても、本好きな子が育つ方法があります。今回ご紹介するのは、すべて実体験に基づくもの。子育て中のどなたかに、少しでも役立てたら嬉しいです。

実体験を反映した「本好きな子が育つ住まい」

 『「子と住む」をもっと楽しく』をコンセプトにしたリノベマンションシリーズcotosumu(コトスム)に関わらせていた時のことです。このシリーズは、子育て中である自分自身の経験も活用していたプロジェクトでした。「親子の暮らしに役立つような工夫」を盛り込んだ住まいづくりのお手伝いをしていたのですが、私の中で一つテーマにしていたことがあります。それは「本好きな子が育つ住まい」

 というのも、我が家の長男が本好き小学生で、「何でこういう風になったのかな?」と振り返ると、思い当たる節がいくつかあったのです。そして、それらの多くは、日々過ごす住まいの環境が手助けしてくれたものでした。

小さい時の「仕組みづくり」がカギ

 遡って考えると、ラクに本好きな子を育てるには、赤ちゃん~3歳くらいまでに、本との接触回数を増やすのが何より効果的だと感じます。読み聞かせを沢山してあげるのに越したことはないですが、疲れているときは、ちょっと休みたいなーと思ったりしますよね。そこで実践していたのが、本の表紙を見せて、子どもの手が届くところに置いておくことです。

 大人でも本屋さんに行くと、平積みで表紙が見えている本を思わず手にとってしまいますよね。子どもも同じで、視覚的に面白そうと思ったものは、反射的に手に取ります。ペラペラと何となくめくって、仕掛け絵本なら仕掛けを楽しんだり、絵を見たりするだけでもOK。本を自動的に手に取ってしまうような仕組みをつくるだけで、小さい時から自然と本に慣れ親しむことができます。

cotosumuシリーズでも「本の表紙を見せておけるスペース」をつくりました。

 この「本の表紙を見せておく場所」は、リビングだけでなく、寝室にもおすすめです。子どもが小さい時は、寝かしつけも毎日大変ですよね。そこで、寝室に何冊か本を立て掛けておき「今日は何の本があるかな~?」と、ちょっとしたワクワク感を出しながら就寝に誘導するのも一つの手です。

本好き小学生には共通点があった

 小さい時からこの仕組みのある環境に身を置いていた長男は、現在小学5年生です。最近のお気に入りは、直木賞作家の今村翔吾さん。その他にも、アドラーの心理学や、経済小説、文学から、コロコロコミックまで、色んなジャンルを楽しんでいます。そんな話をスタッフとしていたところ、小学6年生のお嬢さんも同じく本好きで、色々聞いていくうちに、いくつかの共通点が浮かび上がってきました。

共通点1:本は買う派

 図書館で借りることもありますが、私もスタッフも、子どもの本は基本、買う派。理由も同じです。それは読み返すから。子どもは日々成長しているので、少し時が経ってから読むと、話を深く理解できるようになっていたりします。また、その時に興味を示さなくても、いきなりその本を読むタイミングが訪れることもあります。ちょっとコストはかかりますが、リサイクル品なども活用して買うようにして、子どもが読みたいタイミングを逃さないようにしています。

共通点2:好きそうな本をさりげなく用意する

 子どもが新しい本の世界と出会うには、子どもだけの力では難しい部分もあり、親が手助けしてあげることも必要です。「必要」とは言っても、あまり堅苦しいことではなく、私は楽しんで「選書」をしています。子どもが好きそうなもので、今読んでいるものよりちょっと難しかったり、隣のジャンルのものだったりと、「これは気に入るのでは?」と予想を立てて本を選びます

 それを、さりげなく手に取ってもらうのがポイント。少し前までは「表紙を見せる方法」で、新しい本を置いておくことをよくやっていました。

本の収納スペースがある住まい

 これら2つの共通点には欠かせないポイントがあります。それは「本を置く場所が必要」ということ。シンプルな話ですが、本好きな子を育てるには、多くの本を置くスペースがどうしても必要になります。多くの時間を過ごすリビングや、動線となる廊下など、子どもが手に取りやすく、しまいやすい場所(これ重要!)に、本の収納スペースをつくるのが理想的です

 本の収納スペースは、成長につれて本のサイズが小さくなっていくこともあり、それほど奥行がなくても大丈夫です。ちなみに、絵本から単行本まで混在している我が家の本スペースは、奥行き23.5㎝。大型の図鑑もはみ出すことなくすっきり収まっています。

ちょっとした仕掛けを取り入れる

 この「本好きな子を育てる」だけでなく、子育ての多くの場面において、沢山の時間を過ごす住まいの中に、ちょっとした工夫を加えるだけで、ラクになったり成長に役立ったりすることが色々とあります。cotosumuのプロジェクトでも、最新の設備を導入するなどではなく、子どもが自然に成長できる”ちょっとした仕掛け”を切り口にしていました。

 最後に、cotosumuでは、「あっという間に過ぎてしまう子育ての期間」というフレーズをよく使っていましたが、子ども二人が小学生になった今、私自身がそれをひしひしと感じています。本の話で言うと、子どもの「ママ読んでー」も永遠ではありません。読み聞かせは、大変だなと思うときもありますが、”ちょっとした仕掛け”がきっと少しは助けになるはずです。

 

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