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見せ方で損をしている不動産が多い

「見せ方で損をしている不動産が何と多いんだろう!」という問題意識と反省が、SOLAS planningを始める大きなきっかけでした。今回は、SOLAS planningの「はじまりの話」をしたいと思います。

機能がエンドユーザーに伝わっていない現実

 話はおおよそ15年前。中古マンションの再販会社で働いていた時に遡ります。販売物件を扱う部署にいた私は、ある時、大手住宅機器メーカーの方からこんな話を伺いました。「設備機器には、それぞれ色々な機能があって、年々進化しているものもある。けれど、それらは物件が販売される時には、エンドユーザーに全く伝わっていない。」それは全くその通りでした。販売する時は、いわゆる「マイソク」(不動産を販売・賃貸する時の資料)を作成しますが、そこには「フルリフォーム済み」などの文言が掲載されるのみ。機能面まで言及することはありませんでした。

 ですが実際は、例えば最新の浴室設備であれば、水はけのよい床になっていたり、排水口の水の流れも工夫されていてゴミが掃除しやすいようになっていたりと、色々な機能が備わっています。そういう点もエンドユーザーに伝えられたら、特に女性の方(家事をやっている男性の方にも)には参考になるだろうなと思いました。ただ、そう思いつつも目の前の業務に取り組むのが優先で(というのは言い訳ですが)、何も改善しないまま時が時が過ぎていきました。

「どう価値を見せるか」の気付き

 ここで、簡単に私の経歴について触れさせていただきたいと思います。私は新卒で不動産会社に入社した後→PR会社→不動産会社、という不動産業界ではちょっと珍しい職歴を辿っています。PR会社を経験したことで、現在にも活きる沢山の学びを得ることができました。その中でも大きいのは、現在の原点となる「『どう見せるか』が大事」という視点が備わったことだと思います。「どう見せるか」というのは、デザインやクリエイティブの見せ方という意味もありますが、「価値をどのように見せるか」という、もう少し深い視点での捉え方ができればアウトプットが変わってくる、という気付きが現在にも繋がっています。

 このPR会社での経験を経て、前段の中古マンションの再販会社で働いていた私は、「機能がエンドユーザーに伝わっていない」という話が、頭のどこかでずっと引っかかっていたのでした。その後長男を出産したのをきっかけに退職し、しばらくは育児中心の生活をしていました。

 親しくなったママ友に、不動産の仕事をしていたと伝えると、物件の契約の流れのこと、リフォームのこと、住宅ローンのことなど、色々な質問を受けるように。自分が当たり前だと思っていたことも、意外と一般には知られていないんだなぁと実感することが増え、記録も兼ねてブログに書き留めていきました。そのブログを、お悩み相談のオンラインサービスを展開する会社の方が見て下さり、不動産に関するご相談を担当することに。当初は女性ユーザーさんが多いから、住まいのことは同じ女性同士の方が相談しやすいだろう、ということだったのですが、実際には、鳥の飼育が趣味だという男性の方から「たくさんの鳥が飼える部屋に引っ越したい」といったご相談など、多様なお話があり、「価値の多様性」を学ぶ機会になりました。

自分の物件探しでモヤモヤ

 その後長男が3歳の時、全く違うエリアに引っ越すことになりました。あまり時間の猶予がなかったので、とりあえず賃貸にしようという話になり、家族で何件か見て回りました。あっさりした「マイソク」を手に室内へ入ると、キレイにリフォームされていて、「あれ?リフォームしてるって書いてあった?」と思い、良く見るとさらっと記載してあった物件。立地は抜群に良いのに、ちぐはぐなリフォームが施されていて、すごくもったいない物件など。改めて自分がエンドユーザーの立場になると「見せ方で損している物件が多い!」と気付くことばかり。

 しかもその多くは、その不動産を所有するオーナーさんから、不動産仲介会社が依頼を受けて賃貸募集活動をしている物件です。「自分がオーナーだったら…」と考えると、すごくモヤモヤした気持ちになってしまいました。ちょうどその頃、販売物件に設置する資料の制作をご依頼いただくようになり、自分が関わる物件は、見せ方で損をすることがないようにしよう、と考えながら制作するようになっていきました。

 2018年、SOLAS planningとして仕事を請け負うようになってからは、リノベーションマンションの販売用に水回りの機能をまとめた資料や、物件の魅力が伝わる賃貸募集ツールなどを制作する機会をいただき、前段の反省やモヤモヤを十分に活かすことができました。

 その後もありがたいことに、様々な課題に向き合う機会をいただきましたが、”水回りの機能”のように目に見えやすい価値から、「目に見えない価値」にも向き合うようになっていきました。ただ、どんな課題でも「見せ方で損をしないように」という視点を常に持っています。小さな会社ではありますが、自分のできることで少しでも多くの方に役立てるようにという願いのもと、今回のお話を締めくくりたいと思います。

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